イラストと振り返るしかさぽアーカイブス8

コロナ禍いかがお過ごしでしょうか?福岡など10都府県で、緊急事態宣言が1ヶ月延長になりましたね。これまで以上に気をつけていきたいと思います。

さて、前回、横断と音がいかに大切かを書かせていただきました。とりわけ、軽度の難聴もあった弱視中学生は、補聴器によってその状況を変えて克服していったわけですが、その過程は生易しいものではありませんでした。

軽度の難聴があったために意識せずに聞き逃していた音も補聴器を装着すれば聞こえてきます。工事現場のけたたましい機械音、ディーゼルエンジンのトラックやバスの音・・・その中から自分の命に関わる車音を探し当てるのです。一つ一つの音に意味があり、音となる理由がある。その過程での歩行訓練。今思えば良く集中力を絶やさずに持ち堪えてくれたものだと思います。

それでもなし得なかったこと・・・それは、交差点横断の開始のタイミングです。

そこで、交差点横断に特化した訓練を導入しました。十字路、つまり四角ですね。それを右周りに2回とか、左回りに2回とか。とにかく渡る、渡る、渡る、渡る・・・。もちろん、一つの「渡る」に、横断開始位置の発見、横断、横断後の確認が入ります。

高い集中力を必要とする内容でしたが、次第にその精度が上がってきました。「車の流れが止まる、信号が変わった、自分の横断方向の車音が聞こえる、青だよし渡ろう!」みたいな。

カンを掴み、実際の音を自身への情報化することで安全か、そうでないかを判断する。そういう一機会の伸びは目を見張るものがありましたので、ここでこの内容の訓練を入れて良かったと思いましたし、実際、実のある訓練となりました。

とにかく、渡る渡る渡る…

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