イラストと振り返るしかさぽアーカイブス9

しかし、コロナしつこいですよね。私の職場も在宅勤務に突入しました。最初は出来るかな?と不安に思っていましたが、案ずるよりもすんなりと対応出来て、何だか職場よりも生産性が向上しており、ずっと在宅でも良いかもと思う今日この頃です。

さて、「交差点横断」をメインに最近の投稿をしていますが、地元中学校への登下校、私との歩行訓練で少しずつですが、交差点横断のきっかけを掴みつつある最中、ある出来事がありました。

二つの十字路(交差点)を東西に伸びる道路とで、8の字を描くが如く、交差点横断の訓練を実施していた時、ホンダのカブという、所謂郵便配達や新聞配達で良く使用されるバイクがあるのですが、丁度弱視中学生が、交差点横断を開始し始めた時、一台のカブが弱視中学生の方に左折する場面に遭遇することがありました。

カブって、結構ウインカーの音大きいんですね。それと、独特のエンジン音、いかにもそれを指し示すあの音の響です。

弱視中学生と並行に進んで、弱視中学生はそのまま前の角に横断ですが、カブは左折…だから、横断時は自分の右側からバイクのエンジン音が近づき、横断後は、背後を横切る音に変わる。

訓練士から見れば、お、バイク来た。左折するのか。丁度良い練習になりそうだなあ。うん?バイクの音に気がついたな、自分に迫ってくる音だ。渡るべきか、止まるべきか迷っているな、お、促されるように横断し始めたな、よしよし良いぞ…というように、結果、上手く音を拾えて、音を利用しながら横断ができて、音で横断後の確認ができた貴重な体験となりました。

訓練してて、このような場面に遭遇すると、バイクの運転士さんもそうでしょうけど、自動車、トラック、バスと「しょうがないよね、待つしかないか」と思っておられると考えるものの、「すみませんね、良い練習場面に遭遇できたので、この機会を利用させて頂きます」と思い、安全に留意しながら進めていきます。

その一つ一つが経験となり、実践場面で力を発揮するんです。ただ、塩梅が難しい。そのために我々訓練士や保護者がそばを固め、協力を仰ぎながら訓練が成立するのです。

弱視中学生もそんな実地訓練で力をつけてきました。

そしてこの場面。ウインカーを上げながら見守ってくれたバイクの方、今となっては良い肥やしになっています。車音一つ、駐停車中の車両一つ、それが良い場面となり、弱視中学生の今、弱視高校生となった今を支えてくれているのです。

バイクの音と交差点横断

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